日本法人謝罪「バービー」抱き合わせの「オッペンハイマー」がヒットだが…
ヒロシマ・ナガサキから78年、原爆のサスペンス映画が表す米国人のスタンス【JBpressセレクション】
2024.3.26(火)
高濱 賛
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米国に蔓延する「何でも茶化す皮肉な笑い」
この騒動に80代の元米外交官の一人、K氏はこう一刀両断する。
「映画を観る今の若年層も宣伝する者も、森羅万象を茶化して、浮かれる風潮が蔓延している。皮肉な笑い(Lolz)だ」
「制作者の作品に込めた執念などはまるっきり分かっていないのだろう。第2次大戦とは何だったのか、原爆が投下されてどのくらい人が死んだのか全く知らない無知な人間たちが、うようよいる」
「近年、2人の民主党大統領が広島を訪れた。正式な謝罪はできなかったが、訪問自体が暗黙の謝罪だ。それにもかかわらず、こうしたことが平然と行われている」
これは理由は異なるかもしれないが、老いも若きも同じだ。
高齢者たちは世界に先駆けて原爆を製造した古き良き時代を描いた映画を満喫しようとした。
中にはバービー人形のようなカラフルなドレスや「原爆の父」ロバート・オッペンハイマーが描く第2次世界大戦時のファッションで映画館に出掛ける者もいるという。
Z世代にとっては、原爆開発をめぐる科学者同士の裏切りや当局が狙うスパイ追及といったサスペンス映画だ、とするユニバーサルの宣伝文句に飛びついたのだろう。
IMAXを採用した臨場感あふれる原爆投下実験シーンを見るために劇場に足を運んだ人も少なくないだろう。
(Barbenheimer Is a Hit: Here Are 5 Lessons For Hollywood – IndieWire)