3.最も暗い表情の大隊長・中隊長

 そこに並ぶ軍人たちは、手前の2人は中佐でおそらく大隊長クラス、その奥に並ぶのが大尉で中隊長クラスの指揮官だ。

 これまで戦線で戦っていたか、これから戦線に向かわなければならない者たちだ。

 この2時間の間に、笑顔や余裕の表情は全く見えなかった。聴講者の集団の中で、最も暗い表情を見せていた。

2024年、聴講する現場指揮官の軍人

 ウクライナの作戦では、軍人たちは苦しい作戦を実施し、その結果、主導権を握っているというのだから、自信を持った表情になっていてもいいはずである。

 全員でなくとも、一部にはそのような軍人がいてもいいはずである。しかし、そのような軍人は一人もいない。

 作戦がうまくいっていないため、また無謀な攻撃を強要されて、犠牲が多く出ていることから今後の進展に希望が見えないのであろう。

 少なくともこれまでは悪かったかもしれないが、主導権を握っていると言えるのであれば今後の作戦が好転する可能性が高いので、明るさが見えてもよいはずであるが、そうではない。