ペースメーカーの効果的な投入には人選がカギとなる

 ペースメーカーの投入には賛否両論あるが、競技中は選手と同程度のハードな走りが求められる大変な仕事だ。さらに、ペース配分の上手さや他の選手に対する気遣いなど多様なスキルも必要になる。実力のあるランナーでなければ十分に役割をこなすことは難しい。

 実際、有名選手がペースメーカーを務めるケースは多い。例えば「第41回大阪国際女子マラソン』では、箱根駅伝で活躍し、“3代目山の神”の異名で知られる神野大地氏や、元公務員ランナーとして有名な川内優輝氏がペースメーカーを担当。川内氏はコースを完走し、最後まで出場選手を牽引する働きもみせた。

 「東京マラソン2024」では物議を醸したが、ペースメーカーもまた、優れた資質を持つランナーであるのだ。