平時のラマダンでも一触即発、今年は?
パレスチナとイスラエルは、平時のラマダンでも一触即発の状態です。特にイスラム教、キリスト教、ユダヤ教の聖地が集まるエルサレムは争いの発火点となってきました。
ラマダンでは、普段より大勢の人がイスラム教の聖地「アルアクサ・モスク」を参拝します。これまでも入場を規制するイスラエル治安部隊との間で衝突が起き、暴動に発展するケースが少なくありませんでした。
ハマスは「エルサレムの守護者」を自任しています。ハニヤ最高指導者はパレスチナ人に対して、ラマダンの初日にアルアクサ・モスクに行進するよう呼び掛け、対決姿勢を鮮明にしています。
国際司法裁判所(ICJ)は今年1月、イスラエルにジェノサイド(集団殺害)を防ぐための「あらゆる措置」や人道支援の提供を行うよう命じました。ガザでの戦争が長引き、悲惨な事態が拡大するにつれ、イスラエルへの非難も強まっています。そうしたなかで始まる今年のラマダンは、例年とは比べものにならない重さを持っていると言えるでしょう。
フロントラインプレス
「誰も知らない世界を 誰もが知る世界に」を掲げる取材記者グループ(代表=高田昌幸・東京都市大学メディア情報学部教授)。2019年に合同会社を設立し、正式に発足。調査報道や手触り感のあるルポを軸に、新しいかたちでニュースを世に送り出す。取材記者や写真家、研究者ら約30人が参加。調査報道については主に「スローニュース」で、ルポや深掘り記事は主に「Yahoo!ニュース オリジナル特集」で発表。その他、東洋経済オンラインなど国内主要メディアでも記事を発表している。