今年もバレンタインデーの時期がやってきた。近年は、ジェンダーレスの観点から、女性から男性へチョコレートを贈るという行為をやめたほうがよいという意見も多くなっている。職場などで配られてきた「義理チョコ」を見直す動きや、男性から女性にチョコを贈る「逆バレンタイン」、仕事や勉強などで頑張った自分への「ご褒美チョコ」など、バレンタインデーをめぐる多様な動きが出てきている。
そんな中、2月14日に発売開始となるのが「バレンタインジャンボ宝くじ」だ。例年、2月初旬より発売されていたが、今年はバレンタインデーに合わせた形となっている。ジャンボ宝くじも、バレンタイン商戦の1つに加わろうということかもしれない。
それでは、今年のバレンタインジャンボ宝くじの内容を見ていこう。
>>【表】気になるバレンタインジャンボ、バレンタインジャンボミニの当せん確率と期待値
2等1000万円の当せん本数が3.3倍に増加したバレンタインジャンボ
最高当せん金は1等前後賞合わせて3億円と高額だ。
バレンタインジャンボ宝くじには、年末ジャンボ宝くじと同様、「ジャンボ」と「ジャンボミニ」の2つがある。「1等前後賞合わせて3億円」のうたい文句で販売されるのは、バレンタインジャンボだ。バレンタインジャンボミニの当せん金の最高額は、1等前後賞合わせて3000万円となっている。
それでは、まずバレンタインジャンボについて詳しく見てみよう。昨年と比べた当せん金、当せん確率、くじ1枚に対する当せん金の期待値の変更点をまとめると以下の通りだ。
【バレンタインジャンボの主な変更点】
(1)当せん金1000万円の2等の当せん本数が、昨年の1ユニット(1000万枚)あたり3本から、今年は10本へと3.3倍に増加
(2)当せん金100万円の3等の当せん本数が、昨年の1ユニットあたり60本から、今年は300本へと5倍に増加
(3)当せん金1万円の5等の当せん本数が、昨年の1ユニットあたり4万本から、今年は1万本へと4分の1に減少
(4)その結果、くじ1枚300円に対する当せん金の期待値は、144.99円から145.99円へと1円増加
今年の宝くじでは、当せん金1000万円の2等と当せん金100万円の3等の当せん本数が大幅に増やされている。一方、当せん金1万円の5等の本数が減らされている。これらの増減により、組み替えが行われたことになる。くじ1枚に対する当せん金の期待値で見ると、増加分が減少分を上回っており、期待値は1円増加する形となっている。
当せん金1000万円の2等と当せん金100万円の3等の当せん本数が大幅に増やされる一方で、当せん金1万円の5等の本数が減らされるという組み替えは、昨年の年末ジャンボ宝くじと同様の動きだ。今回のバレンタインジャンボは、当せん金100万円以上の高額当せんに重点を移したといえるだろう。
それでは、100万円以上の当せん金を当てるには、どれだけくじを買ったらよいか。計算してみると、100万円以上の賞金が当たる確率は0.00313%なので、この数字の逆数をとることにより、平均的には、3万1949枚のくじを買うと100万円以上の賞が1本当せんするという結果になる。
これだけの枚数のくじを買うと、100万円未満の複数の当せんも期待できる。平均的には、4等3本、5等31本、6等319本、7等3194本の当せんが期待できる。こうした4等から7等の当せんにより、平均的に、当せん金237万5200円が受け取れる。100万円以上の賞の当せんと合わせて、337万5200円以上の当せん金の受け取りが期待できることになる。
ただし、1枚300円のくじを3万1949枚買うためには、958万4700円が必要となる。たとえ3等100万円が1本当せんして337万5200円の当せん金を受け取ったとしても、600万円以上もの持ち出しとなってしまう。大量購入を考える場合には、購入額と当せん金の受取額の関係に十分注意しておく必要があるだろう。
こうして見ていくと、バレンタインジャンボは、「3億円狙いを中心に据えつつ、当せん金100万円以上の高額当せんも狙いたい」という“一攫千金狙い”のくじと位置づけられそうだ。