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子どもたちに大ウケした錦鯉

「こぉ~んにちは~」

 お笑い芸人「錦鯉」の2人が舞台に登場するやいなや、ボケ役の長谷川雅紀が中腰になって大きく両手を広げて客席に向かって叫ぶ。これだけで客席から大きな歓声が上がるのだから掴みとしては非常に「おいしい」のだろう。

 そして長谷川が叫び終わるや否や、まるで中年サラリーマンのような紺色のスーツ姿のツッコミ・渡辺隆が「うるせ~えな」とか「こんばんはだよ」と言いながら長谷川の後頭部をピシャリと何回も叩く。これも錦鯉の定番だ。

「こーんにちわー」のポーズを決める「錦鯉」の長谷川雅紀と相方の渡辺隆「こーんにちはー」のポーズを決める「錦鯉」の長谷川雅紀と相方の渡辺隆(写真:共同通信社)

 長谷川はいつも白いスーツに黒いシャツ、白いネクタイの舞台衣装で、剃り上げたスキンヘッドにぎょろりとした大きな目は一目見て忘れられない強い印象を与える。世が世なら「反社」のようないで立ちだが、両手を広げて腰を下げて叫ぶその姿は微塵も怖そうなイメージを与えないのだから、これは稀有なキャラクターと評価すべきなのであろう。

 北海道は札幌で生まれ育った長谷川は1971年生まれで、7歳年下の東京出身の渡辺隆とコンビを組んだのは2012年4月のこと。札幌の高校を卒業した長谷川は1994年に養成所として新設された札幌吉本の第一期生となる。ちなみに同期には「タカアンドトシ」がいる。