「学問の神様」として知られ、合格を祈る多くの受験生や保護者が訪れる東京・湯島天神(写真:共同通信社)

 9年連続で増え続けてきた中学受験者人口だが、2024年度入試でついに止まりそうな気配である。「受験人口だけでなく、家庭の“受験熱”も少し下がっているようだ」と指摘するのは、安田教育研究所代表の安田理氏。同氏が2024年度入試にみられる兆候をさまざまな側面から探った。(JBpress編集部)

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中学受験「4大模試」すべてで受験者数が減少

 中学受験人口は2008年のリーマン・ショック、2011年の東日本大震災の影響などもあり、2014年に4万2800人と最少となった。その後、2015年からは右肩上がりとなり、2023年には5万2600人(首都圏の小学6年生の受験率は17.9%)が受験した。この9年間に1万人近くも増えたことになる。

 それが2024年は横ばいないし減少が予想されている。首都圏の中学受験の世界には、サピックス、四谷大塚、日能研、首都圏模試という4つの大きな模試がある。この順番に受験層のレベルが高いとされている(四谷大塚と日能研はほぼ同レベル)が、今年の11月に行われたこれらの模試の受験者数が4大模試すべてで前年より減っているのだ。トータルでは前年の同時期より1000人強の減で、学力的には上位層も下位層も減っている。

 2016年、2017年も11月の模試の受験者数は前年より減っていたが、本番の中学入試の受験者数は増えたので、2024年も増加する可能性がないわけではない。中学受験者の中にはこれらの模試を受けないで本番に臨む層も一定数いる。また、4大模試とは別に塾内だけで実施している模試も何種類かあり、そうした模試だけを受けて受験に臨む層もいる。

 さらに近年、英語入試、プレゼンテーション入試、プログラミング入試……など多様な入試が増え、2科・4科の模試の世界とは別の受験スタイルが広がっている。そうしたことも模試の受験者数と本番の受験者数とが乖離する要因といえる。

 そうした状況も踏まえつつ、早くも首都圏模試センターが2024年度入試の受験者数を予想している。それによると、2023年の5万2600人から600人減の5万2000人としている。

 いちばん大きな要因は、受験者数の母体となる首都圏の小6生自体が前年より5800人も少ないことである。それだけ分母が小さくなるのだから、受験率は10年連続でアップすることは間違いないだろう。