開智日本橋学園中学・高等学校開智日本橋学園中学・高等学校

 2024年度の中学入試で大きな話題となったのが、開智所沢中等教育学校(埼玉県所沢市)の開校だった。同校で行ったさまざまな入試の“仕掛け”により、本校的存在である開智(さいたま市岩槻区)、開智日本橋(東京都中央区)にも応募者が急増した。安田教育研究所代表の安田理氏が、最新の中学入試状況と開智学園の人気の秘密を探った。(JBpress編集部)

小学校から大学まで有する「一大教育コンツェルン」に成長

 首都圏の中学入試は、2023年は日本学園の明治大学の系列校化、サレジアン国際学園世田谷、芝国際の共学化など、インパクトのある動きがいくつもあり、それらが入試を活性化させた側面があった。

 だが、2024年の新規開校は開智所沢中等教育学校だけで、共学化も自由学園の男子部・女子部が共学化するくらいで、これといって大きな話題はなかった。

 その開智所沢は初年度にもかかわらず、7500名以上もの応募者を集め、2024年度入試の大きなトピックとなった。開智学園(開智グループの複数の学校の総称)そのものをご存じない読者もいると思うので、まずは学園全体の概要について触れておこう。

 開智学園は1997年の開智中学校の開校からスタートした。1999年に埼玉第一高校を開智高校と改称。ここが開智学園全体のいわば本校的存在となる。最寄り駅は、大宮駅から出ている東武アーバンライン東岩槻駅で、決して恵まれた立地とは言えない。

 にもかかわらず、栄東とともに埼玉の中学入試をけん引してきた。開智中学校の四谷大塚の予想偏差値は一番高い入試回は62もある。大学合格実績も、東大・京大・東工大・一橋大の18名を含め国公立大に132名、早稲田大に96名、慶應義塾大に53名、上智大に35名、東京理科大に131名合格するなど高い実績を上げている。ちなみに、開校したばかりの開智所沢の予想偏差値は47となっている。

 その後、開智学園は中高だけでも2011年に開智未来中学・高校(埼玉県加須市)、2015年に開智日本橋学園中学・高校(東京都中央区)、2020年に開智望中等教育学校(茨城県つくばみらい市)と次々と開校し、今年、開智所沢中等教育学校を開校したわけである。

開智所沢中等教育学校(仮称)のHPより

 このほか小学校に開智小学校、開智望小学校、開智所沢小学校があり、大学も開智国際大学がある。埼玉をベースに、横(地域)では東京、茨城まで広がり、縦では小学校から大学までを有する「一大教育コンツェルン」となった。