生徒募集の停止を余儀なくされる中学校が増えている(写真はイメージ)

 恵泉女学園大学、神戸海星女子学院大学、上智大学短期大学部など、ここへきて閉学を前提とした女子大の学生募集停止の報道が相次いでいる。私学にとって最も大きな決断である募集停止だが、中学・高校ではどんな状況なのだろうか。安田教育研究所の安田理代表がレポートする。(JBpress編集部)

共学だから募集が安泰というわけではない

 大学の募集停止は、学生が集まらず定員を充足できない状況が何年も続いており、この先も展望が開けないことからの決断であることが共通している。

 その背景としては、少子化、実学志向(募集停止を決めた大学は人文系学部が中心)、共学志向、大規模校志向、都心志向など、さまざまな要因が挙げられている。

 では、中学でも募集停止に追い込まれる学校は増えているのか。過去10年間で募集停止に踏み切った首都圏の私立中学を調べてみると【表1】のような学校名が挙がった。


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 さらにさかのぼると、2003年度に成徳学園(現・下北沢成徳/東京)、潤徳(東京)が、2008年度に桜華女学院(東京)、横浜学園(神奈川)が募集を停止。桜華女学院はその後2012年度に募集を再開し、2018年に校名を日本体育大学桜華に変更している。

 大学の募集停止がいずれも女子大であるように、中学の募集停止も女子校が多いが、決断時点では共学校もある。共学だからといって募集が安泰とは言えないことがわかる。ちなみに男子校はなかった。