今年も受験シーズンが到来した(写真:アフロ)

令和の現在、夫婦の3組に1組は離婚する。残る3分の2の多くも、大なり小なり問題や悩みを抱えている。ネットニュースやSNSでリアルな夫婦像に触れる機会が増え、我が身を振り返る人も少なくないだろう。2022年9月に新著『妻が怖くて仕方ない』(ポプラ社)を上梓したジャーナリストの富岡悠希氏が「日本の夫婦の今」を明らかにする本連載。今回は、夫婦間での教育方針の違いをテーマにする

【主な連載記事】
妻の暴力で脱臼、救急車で運ばれた僕が考える夫婦の「リアルと理想」(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/71659)
「既婚者合コン」に潜入、「良妻賢母」的なマリコさんに僕は困惑した(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/71835)
なぜ夫婦は行き違うのか、三浦瑠麗氏が指摘する男性の特質とは(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/73224)

(富岡 悠希:ジャーナリスト)

高止まりする「中学受験熱」

 あと1週間あまりで2月1日となる。「2023年も、はや1カ月が終わってしまった」。大人たちの一定数は、こんな感想を抱くだろう。僕は寝正月から始まり、1年のスタートダッシュを上手く決められなかったことに毎年のように焦る。

 同じく2月1日、我らのんびり派の大人と違い、真剣な表情で「天王山の戦い」に臨む子どもたちがいる。中学受験する小学6年生の児童たちだ。

 首都圏模試センターによると、2022年に首都圏で私立・国立中学を受験した総数は5万1100人(推定)。前年より1050人増えて、過去最多となったという。

首都圏の私立・国立中学受験者数の推定(出所:首都圏模試センター)
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 コロナ禍で3回目となる今年の受験者数は、さらに増えると予想する専門家もいる。「中学受験熱」は高止まりこそすれ、冷める気配はまったく感じられない。

 そんな中学受験に合格するため、子どもたちの多くは塾に通う。その中学受験塾を舞台にしているのが、人気漫画『二月の勝者』だ。2021年にはテレビドラマ化もされている。

 こうした作品は、エンタメとして成り立たないと多くの読者・視聴者を獲得できない。真面目な塾講師がコツコツ生徒を指導するだけでは、物語にならない。そのため、中心的な登場人物である新校長の黒木は、キャラが濃い目で発言も過激だ。