- 東京都の「東京ゼロエミポイント」のように、特定の政策を後押ししたり、市民生活を豊かにしたりするために自治体が導入している制度はいくつもある。
- ところが、そういった自治体の制度は複雑で、大量の書類を読み込まなければならないため、途中で申請を断念する人も少なくない。
- その部分を生成AIに任せたらどうだろうか。実際にそういうサービスも生まれている。
(小林 啓倫:経営コンサルタント)
「東京ゼロエミポイント」をもらうには?
「ポイ活」という言葉があるように、ポイントを集めて得をするという行動が、生活防衛術としてすっかり定着した。裏を返せば、それだけ金銭的価値のあるポイントが付与される仕組みやサービスが増えたということになる。
東京都が行っている「東京ゼロエミポイント」という制度もその一つで、公式サイトによれば、これは「省エネルギー性能が高いエアコン、冷蔵庫、給湯器、LED照明器具に買い替えた都民の方へポイントを付与」するというものだ。
◎東京ゼロエミポイント(東京都)
有意義な取り組みだが、決済サービスや通信キャリアなどが行っている有名なポイントに比べれば知名度は低く、東京ゼロエミポイントなんて初めて聞いたという人も多いだろう。いったいどうすればポイントをもらえるのだろうか?
「東京ゼロエミポイントとは」という解説ページがあるので、まずはそれを見てみよう。するとこう説明されている。
「家庭のゼロエミッション行動推進事業」とは、設置済みのエアコン・冷蔵庫・給湯器・照明器具を、省エネ性能の高いエアコン・冷蔵庫・給湯器・LED照明器具に買い換えた都民に対して、東京ゼロエミポイントを付与し、ポイント数に応じた商品券とLED割引券を交付する、東京都が実施する事業です。(LED照明器具を申請した場合は、すべて商品券に交換します。)
◎東京都ゼロエミポイントとは(東京都)
要は自宅のエアコン・冷蔵庫・給湯器・照明器具を省エネ効果の高いものに買い替えると、商品券等と交換できるポイントがもらえるというわけだ。
そこまでは単純だが、では実際に申請をとなると、次第に複雑になってくる。たとえば、エアコンを買い替えようとした場合、対象となる製品は次のように説明されている。
何やら基準が細かく分かれているらしい。さらに申請ガイドを読まないと、詳しい決まりが確認できないようだ。
申請ガイドはPDFファイルで提供されていて、なんと50ページもある。しかも、現時点で第12版となっており、改定が何度も繰り返されてきたらしい。
もし東京都内にお住まいで、私もポイント申請してみようと思われた方は、実際にガイドに目を通してみていただきたい。全体を理解するには、ちょっとした手間がかかるだろう。
◎家庭のゼロエミッション行動推進事業(申請ガイド)
当然ながら、制度を理解すれば話は終わりではない。ポイントを手にするには申請作業が必要だ。
東京都のサイトには、申請書のPDFや記入見本のPDF、申請で不備があった際のマニュアルまで用意してある。これらすべてを理解し、正しく申請できて初めてポイントが交付されるのである。
このような書類作業が本当に苦手というタイプがいる。何を隠そう、筆者もそうしたタイプの一人だ。
年末調整や確定申告のように、必ずしなければならない書類作業に対応するのがやっとで、こうした「申請すれば良いことがある」という種類の作業はやりたくても結局あきらめてしまう。
でも、ポイ活の波に乗れないのも悔しい。いっそのこと、人気の生成AI「ChatGPT」に助けてもらえないだろうか。