ビジネスにおける情報活用(5)

 今回は前々回に引き続き映画会社のお話です。

 コロナ禍で映画公開は大きな影響を受けました。コロナ禍にもあえて公開に踏み切った『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』は2020年の世界での年間興行収入第1位を記録するほどのヒットになりました。

 一方で、製作の遅れのほかにコロナ禍を理由として公開延期した『トップガン マーヴェリック』もヒットしました。

「どちらの映画関係者の判断が妥当であったのか?」とか、「それぞれの判断が興行収入にどう影響したのか?」は、後付けでいろいろな分析ができ話題が尽きません。

 しかし、ビジネスの観点では「先が分からない中で、どう意思決定すればいいのか?」が重要かと思います。

 そして先が分からない中での意思決定には、その判断の基になる予測が重要です。

 前回のように意思決定にかかわる人たちが、それぞれの立場で経験と勘で売上予測をしていたら、話がまとまらないことになるかもしれません。

データを基にした売上予測

 そこで今回はデータを基にした売上予測の方法を紹介します(他のジャンルの予測にも展開可能です)。

 一口に売上予測といっても様々な切り口があります。

 一番簡単なのは回帰分析を応用して売上予測する方法です。

 この場合、店舗ごとに「立地が駅から○○分なら月の売上は××円になる」といった時間的要素とは関係ない要素での予測になります。

 今、焦点になっているのは将来予測です。