(写真:AP/アフロ)

 米アマゾン・ドット・コムは、インド小売事業者向け輸出販売事業で、2025年までに同国からの総輸出額を200億米ドル(約2兆9800億円)にするという計画を立てている。アマゾンのグローバル・トレード部門担当ディレクターのブーペン・ワーカンカー氏が業界イベントに出席し、意気込みを語ったとロイター通信が報じた。

インド出品者、アマゾン経由の輸出で年70%成長

 同氏によると、ホリデーシーズンのこの時期は、米国や英国、カナダ、オーストラリア、ドイツなどの市場でインド製品の売上げが急増する。23年はすでにインド産のオーガニック健康サプリメントやバスタオル、ジュート素材カーペットなどの家庭用品、子供向けのロボットゲームへの需要が急増している。

 ワーカンカー氏によれば、アマゾンではインドで10万社以上の小規模事業者を同社プラットフォームに追加し、海外顧客に幅広い製品を提供している。これまで海外市場にアクセスできなかった同国の小規模出品者は、アマゾンのプラットフォームを活用し、年間70%の事業成長を達成している。世界中に2億人以上いるPrime(プライム)会員やアマゾンの物流サービスがこれら輸出業者に受け入れられているようだ。

 同社はインドでの輸出事業を加速させるため、24年3月31日までに登録した業者に対して、「Global Selling(グローバル・セリング)」と呼ぶ海外販売プログラムの利用料金を月120米ドル(約1万8000円)から1米ドル(約150円)に減額する措置を取っている。

輸出支援「グローバル・セリング」、世界20カ国に

 アマゾンは出品者向けの販路拡大プログラムとしてこのグローバル・セリングを提供しており、インドでも15年から展開している。同社はインドでの同プログラム開始から5年後の20年に、同国からの総輸出額が20億米ドル(当時の為替レートで約2140億円)を超えたと明らかにした。この時点でグローバル・セリングに参加して輸出販売していたインド企業は約6万社だった。