第7機甲師団(東千歳)、第15旅団(那覇)は第7機甲師団が戦車の定数を削減するほかは今のところ大きな変更はない。なお、第15旅団の師団規模への改編は今の所詳細が明らかになっていない。

 この歴史的改編で最も大きな変更が行われているのは機甲科部隊(戦車部隊、偵察部隊)である。その内容の総括は次の通りである。

①800余両装備していた74式戦車がすべて令和6年3月末までに退役する。

②既述したように第9師団、第6師団、第1師団、第10師団、第3師団、第13旅団、第14旅団、第4師団、第8師団は改編の都度戦車部隊を廃止した(する)。

 その結果、戦車部隊が配置されているのは

第2即応機動師団:第2戦車連隊(10TK+90TK=50両余)(上富良野)

第5即応機動旅団:第5戦車隊(90TK:20両余)(鹿追)

第7機甲師団:第71戦車連隊(10TK:50両余)(北千歳)

        第72戦車連隊(90TK:50両余)(北恵庭)

        第73戦車連隊(90TK:50両余)(南恵庭)

        第7偵察隊(90TK:10両弱)(東千歳)

第11即応機動旅団:第11戦車隊(90TK:20両余)(北恵庭)

西部方面隊:西部方面隊戦車隊(10TK:20両余)(玖珠)

 以上の8個駐屯地、合計約270両となり、本州、四国には任務部隊としての戦車部隊が所在しなくなった。

③16式機動戦闘車の配備

 戦車部隊、偵察部隊の廃止を踏まえ、新設された即応機動連隊、偵察戦闘大隊に16式機動戦闘車(MCV)が配備された(される)。

・即応機動連隊;(16MCV×約30両/連隊)×6=約180両

(第3・第6・第10・第22・第14・第42各即応機動連隊)

・偵察戦闘大隊:(16MCV×約10両/大隊)×6=約60両

(第1・第10・第3・第4各師団、第13旅団、 第12即応機動旅団)

 合計約240両である。

 以上が機甲科部隊(戦車・偵察)の25大綱に基づく改編の概要である。