パラグライダーや地下トンネルも

 さらに「ハマスの奇襲攻撃方式を見る限り、北朝鮮から戦術と訓練方式などを提供した可能性がある」とし、特にハマスのパラグライダーを利用した浸透作戦に注目した。

「2010年代半ば、韓国の前方地域に科学化警戒システムが構築されると、北朝鮮は地上浸透が制限されると判断し、これを克服するためにパラグライダーを利用した空中浸透訓練を強化している。北朝鮮は2016年12月、金正恩の主管でパラグライダーを活用して青瓦台を打撃する訓練を公開したことがある。こうしたノウハウがハマスに伝授された可能性もある」(合同参謀関係者)

パラグライダーを使った攻撃訓練するハマス戦闘員(ハマス公開の動画より)パラグライダーを使った攻撃訓練するハマス戦闘員(ハマス公開の動画より)

 ガザ地区の市街戦でイスラエル軍を最も悩ませている地下トンネルにも北朝鮮の技術が使われたという分析もある。ハマスはガザ地区各地の家と建物の地下に長さ300マイル(約483キロ)と推定されるトンネルを作り、現在ここに隠れているという。このトンネルは幅が非常に狭く、北朝鮮のトンネルと似ているという。

地下トンネルから這い出し、すぐさまイスラエルの軍用車両を携帯対戦車弾で攻撃するハマス戦闘員(ハマス軍事部門が公開した動画より)地下トンネルから這い出し、すぐさまイスラエルの軍用車両を携帯対戦車弾で攻撃するハマス戦闘員(ハマス軍事部門が公開した動画より)

 イスラエルで国境付近の治安状況を調査する市民団体「アルマ研究教育センター」のサリト・ジェハビ代表は、米国の自由アジア放送(RFA)とのインタビューで、「北朝鮮がヒズボラにトンネル技術を伝え、ヒズボラを通じてハマスに渡ったのは事実だ」と主張した。彼は2021年に「北朝鮮造船鉱業開発貿易会社が掘削工法をヒズボラのジハード建設財団に提供し、シリア国境付近に北朝鮮人材6人を派遣した」というレポートも出している。