ジャニー氏に息子を入れる親の気持ち

──被害を受けた少年たちで最も若い子は13歳くらいでしたよね?

本橋:話に出た中では、11歳、12歳という小学生もいましたよ。後にこの子らはデビューしましたけどね。

 行為に及ぶときにクリームを使うらしいのですが、こういったやり方は、ジャニーさんが米軍で働いていた時に学んだじゃないかな。当時のアメリカはこの手の分野で進んでいたと思います。そのクリームも日本で買うものでなく、米軍基地で買えるようなものだったようです。

──平本さんはジェネレーションでいうと、東山紀之新社長と同じくらいです。東山さんを含め、現役のタレントや幹部たちは口を揃えて「うわさでしか聞いたことがなかった」と語りますが、当時からジュニアの間ではそういうことを皆がされていることはかなり常識だったということですよね。

本橋:常識でしたが、それを仲間内で話したり、話さなかったり、微妙な阿吽の呼吸の中で共有されていたようです。初めて被害者が公にしゃべったのが北公次の本で、さらに被害者が複数話した映像がこのビデオでした。

 この本もビデオも結局大きな打撃は与えられず、ジャニーズ事務所はどんどん大きくなっていきました。今でもよく覚えていますが、その後、知り合いの子どもがジャニーズ事務所に入りたいというので、そこの母親からどうやったら入れるかと相談を受けたことがありました。

 その時に「でも、お母さん、本も出ましたけれど、あそこに入るとジャニーさんから息子さんがやられちゃうかもしれませんよ」と言うと、その母親は「ええ、もちろんです」「それもいい経験だと思います」と言っていました。一部にはそのくらいの感覚を持つ親もいるのです。