10月2日、ジャニーズ事務所が2度目の記者会見を開いた。前回*1の記者会見では社名を変えないことや藤島ジュリー景子氏が株主・代表取締役として残留することなどに批判が高まった。今回は、社名を「SMILE-UP.」に変更するほか、タレントマネジメント業務を新会社に分離することを発表。SMILE-UP.(現在のジャニーズ事務所)は性加害の被害者に対する補償に専念し、補償終了後に廃業する方針を明らかにした。これまでジャニーズ問題や性被害問題などについてJBpressが取り上げた主な論考を紹介する。(JBpress)
*1:ジャニーズ事務所、ジュリー景子氏退任・東山紀之社長就任で変われるか?(9月7日付、JBpress)
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◎カウアンに聞いた、ジャニー氏の性嗜好異常とジュリー前社長が面会した理由
東山新社長が知らない性加害の実態をジュニアが知っている不思議(9月21日付、JBpress)
(長野光、ビデオジャーナリスト)
9月7日、ジャニーズ事務所の新社長・前社長が揃って4時間を超える記者会見を開き、これまでの反省と今後の方針を発表した。「うわさでしか聞いたことがなかった」。表に出ているジャニーズのタレントや幹部は、故ジャニー氏の性加害に関して口を揃えて説明するが、ジャニー喜多川氏が他界する最後のわずか数年をともにしたジュニアたちはその内実を克明に語っている。
東山新社長が「うわさでしか聞いたことなかった」と語るジャニーズ事務所の中では何が起こっていたのか。『ユー。 ジャニーズの性加害を告発して』(文藝春秋)を上梓した歌手のカウアン・オカモト氏に聞いた。《続きを読む》
◎政府が目指す「日本版DBS」だけでは子どもの性被害を根絶できないワケ
制度の対象となる「職種」や「犯罪歴」の範囲には数々の抜け穴がある(9月21日付、JBpress)
(山田 稔:ジャーナリスト)
ジャニーズ事務所を舞台にした性加害問題で、大人による子どもたちへの性加害、性犯罪問題が連日クローズアップされている。
そうしたなか、子どもと接する職業に就く人に性犯罪歴がないことを確認する「日本版DBS(Disclosure and Barring Service)」の創設に向けて、政府(こども家庭庁の有識者会議)が制度の大枠を示した。秋の臨時国会で法案を提出する見通しだ。長らく放置されてきた課題の一つがようやく国会で審議されることになったが、この制度だけで子どもへの性犯罪が根絶されるわけではない。《続きを読む》
◎ジャニーズ「社名変更」でも打ち切られたCM契約がなかなか復活しない理由
スポンサー企業が呆れ果てた「中身なし記者会見」、CM打ち切り後は当面静観(9月29日付、JBpress)
(高堀 冬彦:放送コラムニスト、ジャーナリスト)
ジャニーズ事務所の創業者・ジャニー喜多川氏(2019年に87歳で死去)による性加害問題の余波が拡大一途を辿る中、同事務所が10月2日に開く記者会見で何が発表されるのか――テレビ業界から注目が高まっている。
東山紀之氏(56)の新社長就任が発表された9月7日の記者会見では、前社長の藤島ジュリー景子氏(57)が代表権のある取締役に就いたことも発表され、世間を驚かせた。また、史上最悪級の性加害問題を起こしたジャニー氏の名前を社名に残したことから大顰蹙を買った。
今回の会見はその仕切り直し、社名変更と会社の分社化が発表される見通しだ。性加害の被害者の救済を図る会社とタレントたちの所属会社を分けると見られている。
この“改革”によってジャニーズ事務所は蘇るとの論調が芸能マスコミの一部に見受けられる。果たして本当だろうか。《続きを読む》
◎性加害はジャニーズだけではない、英国は警察専門部隊を投入し1100人以上捜査
「サヴィル部隊」立場を利用し弱者を食い物にした大物を追及(9月23日付、JBpress)
(楠 佳那子:フリー・テレビディレクター)
ジャニー喜多川氏による性加害問題が、ジャニーズ事務所だけではなく芸能界・テレビ業界全体の問題として捉えられ始めた。英国ではジミー・サヴィル事件をきっかけに、社会的地位のある人物による性加害問題を専門に扱う部隊が警察内に立ち上がった。現在も1100人以上を捜査中という。英国には性加害に公訴時効はない。日本でも被害者を救済するには、専門組織の立ち上げや時効の撤廃など制度を整備する必要がある。《続きを読む》
◎「これ、番組でやらないよね」私がテレビ局で目撃したジャニーズ忖度の現場
性加害問題に目を瞑ってきたテレビ局に「ジャニーズ断罪」ができるのか(10月1日付、JBpress)
(青沼 陽一郎:作家・ジャーナリスト)
ジャニーズ事務所創業者の故ジャニー喜多川氏による性加害問題を受け、所属タレントが登場するテレビCMの放送を中止したり、広告契約の更新を見送ったりする大手企業が相次ぐ。そうなれば、自社CMの放送を中止しておきながら、所属タレントの出演するテレビ番組のスポンサーになるなど考えられない。所属タレントのテレビ出演にも影響が及ぶはずだ。
その一方で、テレビの報道情報番組では、いまさらながらにこの問題を報じている。まるで、いままで何も知らなかったような素振りだ。《続きを読む》