共和党の第2回公開討論会を欠席しミシガン州の自動車関連企業を訪問し講演したトランプ前大統領(9月27日撮影、写真:ロイター/アフロ)

もはやレーガン時代の共和党ではない

 来年11月の米大統領選に向けた共和党の第2回候補者討論会が9月27日夜(日本時間28日午前)、カリフォルニア州ロサンゼルス郊外シミバレーにあるレーガン大統領記念図書館で開かれた。

 討論会の模様は保守系FOXニュース傘下のFOXビジネスで全米に中継された。

 世論調査で首位のドナルド・トランプ前大統領は1回目の討論会に続いて欠席した。

 討論会には、参加要件を満たしたロン・デサンティス・フロリダ州知事、ニッキー・ヘイリー元国連大使ら7人がトランプ氏に代わり得る候補として存在感を示すため議論を戦わせた。

 論議はメキシコ国境問題、移民、犯罪、経済、外交問題に及んだが、中国の軍事的、経済的脅威が内政経済と絡めて取り上げられた。

 7人とも対中政策ではバイデン政権の弱腰外交を口々に批判した。

 一方、ウクライナ支援でヘイリー氏、マイク・ペンス前副大統領、トム・スコット上院議員(サウスカロライナ州選出)、クリス・クリスティ元ニュージャージー州知事らが支援続行を主張した。

 これに対して、デサンティス氏や起業家のヴィヴェク・ラマスワミ氏は「ウクライナよりも国内対策に予算を回せ」と主張して意見が分かれた。

 だが、総じて議論自体、1回目の時を超える広がりはなく、「今の共和党はもはや(次々と政策を打ち出した)ロナルド・レーガン第40代大統領時代の共和党ではなくなってしまった」(ロサンゼルス・タイムズ)とメディアを嘆かせた。

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 中継を観ながら同時にコメントするpakman.comのデイビッド・パックマン氏は終了後、こうコメントしていた。

「勝ったのは欠席したトランプ氏。不戦勝だ。参加者で高得点を取ったのは、トランプ批判のオクターブを上げたクリスティ氏だ」

「同氏は、テレビカメラを直視して『ドナルドよ、本当はここに来るべきなのに君は逃げた。我々が怖いからだ。君はドナルド・トランプではなくて、(ディズニー漫画の)ドナルド・ダックだ』と噛みついた」

「あとはヘイリー氏が前回、弁舌を振るって知名度を上げたラマスワミ氏に面と向かって『あなたの言っていることを聞くたびに(政治経験のない空理空論だらけで)開いた口が塞がらないわ』(Honestly, every time I hear you, I feel a little bit dumber for what you say.)とパンチを食わせたのが面白かった」

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