中国政府による政府職員のiPhone使用規制について、米国の金融アナリストは、米アップルの2023年の業績に及ぼす影響はわずかなものにとどまるとみている。ロイター通信が9月8日に報じた。
国有企業にも、全面的禁止の可能性
米ウォール・ストリート・ジャーナルは23年9月6日、中国政府が中央政府機関の職員に対し、iPhoneなど海外ブランドスマートフォンの業務使用と職場への持ち込みを禁じると報じた。
米ブルームバーグ通信は翌9月7日、中国政府が禁止措置の対象を、国有企業や他の政府系機関にも広げる計画で、職員・従業員による使用が全面的に禁じられる可能性もあると報じた。
時価総額1940億ドル減少
こうした報道を受け、9月7日の米株式市場で、アップルの株価が連日の大幅安となった。ウォール・ストリート・ジャーナルの9月8日付記事によると、9月6~7日の2日間でアップル株は7%近く下落し、時価総額が1940億ドル(約28兆3500億円)減少した。
これについて、米金融大手モルガン・スタンレーのアナリスト、エリック・ウッドリング氏は、この下落は「行き過ぎている」と指摘している。同氏が想定する最悪のシナリオでも、アップルの業績に及ぼす影響は、売上高が4%減、利益が3%減にとどまる。中国政府による政府職員のiPhone使用禁止措置が、より広範な影響を及ぼす可能性は低いと同氏はみている。