(写真:ロイター/アフロ)
米調査会社のIDCによると、2022年に中国で出荷されたスマートフォンは2億8580万台だった。前年比で13.2%減少し、10年ぶりに3億台を下回った。22年10~12月期の出荷台数は前年同期比12.6%減の7290万台だった。
通年、10~12月期ともに10年前の水準
厳格な新型コロナウイルス政策と経済の減速によって需要が抑制され、通年と10~12月期ともに出荷台数が10年前の水準になった。中国では10年前、出荷される携帯電話の5台に2台がフィーチャーフォン(従来型携帯電話)だったが、同国スマホ市場は当時の規模にまで縮小した。
22年通年のメーカー別出荷台数シェアは、中国vivo(ビボ)が18.6%で前年に続き首位となった。2位は、中国・華為技術(ファーウェイ)から独立した中国オナーで、シェアは18.1%。米アップルと中国OPPO(オッポ)のシェアはいずれも16.8%で、同率3位。5位は中国・小米(シャオミ)でシェアは13.7%だった。
アップル4.4%減、小幅な落ち込み
このうちアップルの出荷台数は前年から4.4%減と、小幅な落ち込みにとどまった。アップルの競合はオナーを除けば、いずれも2桁減と大幅に落ち込んだ。
一方で、22年10~12月期の出荷台数は1位から、アップル、vivo、オナー、OPPO、小米の順。アップルの同四半期出荷台数は前年同期比で12.7%減少したものの、シェアは前年と同じ20.6%で、首位を維持した。
アップルのスマホ「iPhone」の製造を請け負う台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業の中国・鄭州工場(河南省鄭州市)では22年10月下旬に新型コロナの感染者が確認され、工場と宿舎内に隔離されていた従業員らが集団で脱出する騒動が起きた。鴻海は人員補充のために新たな従業員を雇ったが、22年11月下旬にはこれらの新人工員が手当や衛生環境の不備などを巡り大規模な抗議行動を起こした。
こうした混乱はその後収まり、22年12月には通常の操業に戻った。こうした生産の回復と、年間最大のネット通販セール「独身の日」が後押しし、アップルの出荷台数は前四半期(22年7~9月期)を上回った。
中国市場の低迷が世界市場に影響
ただ、中国スマホ市場の低迷は世界全体に影響を及ぼしている。
IDCによると、22年通年のスマホ世界出荷台数は前年比11.3%減の12億550万台だった。これは13年以来最も少ない台数。22年10~12月の世界スマホ出荷台数は3億30万台で、前年同期から18.3%減少した。6四半期連続の落ち込みで、減少幅は四半期として過去最大。22年10~12月の出荷台数は前の四半期(同7~9月期)をも下回った。IDCのアナリストは「ホリデーシーズンの出荷台数が前四半期を下回ったことはこれまで一度もなかった」と指摘する。
シンガポールに本部を置く調査会社カナリスによると、22年10~12月期におけるiPhoneの中国出荷台数は前年同期比24%減の1640万台だった。
中国でiPhoneの四半期出荷台数が前年同期実績を下回るのは、新型コロナウイルスの第1波が同国を襲った20年初頭以降で初めて。ただ、カナリスによると、それでもアップルは中国市場で好調だった。10~12月期の出荷台数ランキングは1位で、通年の市場シェアは過去最高の18%だった。






