シンガポールに本部を置く調査会社カナリスが1月17日に公表したスマートフォン市場リポートによると、2022年10~12月期の世界出荷台数は前年同期比で17%減少した。通年では前年比11%の減少で、12億台に届かなかった。
21年10~12月期とは対照的
カナリスのアナリスト、ルナー・ビョルホブデ氏によると、「スマホメーカーは年間を通して困難なマクロ経済環境の中で苦戦してきた」という。22年は10~12月期と通年のいずれも、過去10年間で最悪の実績だったと同氏は指摘する。
年末商戦では、メーカーや小売業者が販促に力を入れ、値引き販売などで在庫の削減に成功した。その一方で、流通チャネルは、新しい在庫を受け入れることに慎重になり、これが10~12月期の出荷台数減少につながった。
また、市場では22年7~9月期に低・中価格帯端末の需要が急速に落ち込んでいたが、10~12月期は高価格帯端末の需要にも弱さが見られた。需要急増と供給制約の緩和で活況を呈していた21年10~12月期とはまったく対照的な結果になったという。
アップルのシェア、過去最高の25%
22年10~12月期のメーカー別出荷台数の上位5社は、1位から米アップル、韓国サムスン電子、中国・小米(シャオミ)、中国OPPO(オッポ)、中国vivo(ビボ)の順だった。