4月13日、大阪・夢洲で開かれた万博会場の起工式に登場した岸田文雄首相と、大阪万博公式キャラクターのミャクミャク(写真:新華社/アフロ)

前回の「1年延期説」記事に反響

 7月13日掲載の記事<いまだ海外パビリオンの建築申請ゼロ、ついに出てきた大阪万博「1年延期説」>には大きな反響が寄せられた。

 大阪の大手設計会社の幹部も記事の感想をこんなふうに話してくれた。

「これまでは万博協会に遠慮していたので、言えなかっただけで、書かれていることは本当のことです。協会のやる気のなさ、だれが船頭なのかも分かりにくい運営がこの事態を引き起こしたと思っています。それをズルズルと引っ張った結果、資材高騰とウクライナ・ロシア戦争も起きてニッチもサッチも行かなくなったということです。

 運営の責任は全て協会側にあるにもかかわらず、入札をしないで海外パビリオンへの建設申請を出せない建設業界を悪者に仕立てる空気まで作っていますからね。中止説もあるようですが、1年延期が現実的でしょう」

 読者からは「万博を中止したらいいのではないか」という意見も寄せられているし、今となって万博開催の意味を問う声も寄せられている。しかし、この論議は国際万博に立候補した時点で論議をしなかった日本がおかしかったとされている。

 4月の統一地方選で、大阪維新の会は万博を大阪に持ってきた実績をアピールし続けた。が、当時すでに開催に黄色信号が出ていたことを隠し続けてのアピールだったと言っていい。今となっては維新の会も万博誘致の“功績”をほとんど話題にしなくなり、万博協会副会長でもある吉村洋文知事は開幕に間に合うように政府に泣きつく始末だ。