(英エコノミスト誌 2023年8月26日号)
ますます独裁色を強める政府がお粗末な判断を下している。
一体全体、何が狂ったのか。
中国は1978年に世界経済に復帰した後、史上最も目覚ましい経済成長を成し遂げた。農地改革、工業化、そして所得の向上により8億人近い人々が極貧状態を脱した。
1980年には米国の10分の1しかなかった経済規模も、今ではおよそ4分の3に拡大している。
しかし、政府が2022年末の「ゼロコロナ」政策を解除した後に経済が一気に盛り返すかと思いきや、足取りがふらついてよろよろしている。
中国経済に忍び寄るデフレ
第2四半期の経済成長率は年率換算でわずか3.2%だった。
ある有力な推計では米国の成長率がほぼ6%に達しているかもしれないことを考えると、この数字はなおひどく映る。
住宅価格が下落し、物件が完成する前に売買契約を済ませることが多い不動産デベロッパーが壁に突き当たり、客離れを招いている。
個人消費、企業の投資、輸出もそろって落ち込んだ。
そして、世界の大半が高すぎるインフレと戦っている一方で、中国はその正反対の問題に苦しんでいる。
7月の消費者物価指数が前年同月に比べて下落したのだ。
一部のアナリストは、1990年代の日本のようなデフレの罠に陥るかもしれないと警鐘を鳴らしている。
しかし、中国の症状は大変深刻であり、いくつかの面で「日本化」という診断は甘すぎる。
慢性的な成長不足は、中国では日本の場合よりも深刻になる。なぜなら、中国の国民はまだ貧しいからだ。