プリゴジン「ワグネルはアフリカでの存在感を高めている」
2014年の東部ドンバス紛争で親露派分離主義武装勢力を指揮した極右の国家主義者イゴール・ガーキン元ロシア軍司令官もプーチンのリーダーシップに公然と疑問を唱えたため、7月21日、ロシア当局に逮捕され、8月17日にはガーキンの弁護士も拘束された。ショイグとゲラシモフ、その背後にいるプーチンを批判する勢力は次から次へと粛清された。
米シンクタンク「戦争研究所(ISW)」は、プリゴジンはワグネルを存続させるためアフリカでワグネルを再構築しようとしていると指摘していた。ワグネル代表者とプリゴジンが8月19日に西アフリカのマリに到着し、地域の安全保障や、軍事クーデターが起きたニジェールとの協力について話し合った可能性があるという。
21日にはワグネルがアフリカでの存在感を高めていると主張するプリゴジンの動画がテレグラムチャンネルで公開された。撮影場所はアフリカとみられる。プリゴジンは「摂氏50度の熱暑の中、働いている。ワグネルは偵察・捜索活動を行っている。すべての大陸でロシアをより偉大にする。アフリカをより自由に。アフリカの人々に正義と幸福を」と唱えている。
「プリゴジン」は迷彩服を着て自動小銃を手に砂漠に立ち、遠くには武装した男たちとピックアップトラックが映っている。この「プリゴジン」が本物か、影武者かは分からない。撮影場所もはっきりしない。しかし、動画がプリゴジンとワグネルのアフリカでの存在感をアピールしたのだけは確かだ。