韓国のマセングムで開催された世界スカウトジャンボリー(写真:ロイター/アフロ)

 韓国・全羅北道のセマングムで開かれたボーイスカウト・ガールスカウトの祭典「第25回世界スカウトジャンボリー」のあまりの悲惨さが、韓国政界に論争を呼んでいる。

6年の準備期間がありながら信じられないほどの体たらく

 全世界から4万人以上のティーンエイジャーが参加する本大会について、開幕前まで韓国では「経済効果が6兆ウォンに達する」というバラ色の展望でいっぱいだったが、いざ蓋を開けると準備不足や未熟な運営などで国際的な非難にさらされることになった。12日間の大会は紆余曲折の末に終わったが、監査院の監察と国政調査まで、責任論をめぐる激しい後暴風が予告されている。

 世界スカウトジャンボリーとは、世界から14歳から17歳のボーイスカウト・ガールスカウトたちが参加する合同キャンプ大会であり、4年ごとに開かれる超大型国際イベントだ。自然の中での交流を通じて、隊員たちの挑戦精神と協同心、リーダーシップを養成することを目的とし、野外テントで寝泊まりしながら多様なアウトドア活動を体験するプログラムで構成される。

 31年前にジャンボリー大会を開催したことがある韓国は、2回のオリンピック開催に成功した経験をもとに2023年世界ジャンボリー誘致合戦に参入し、2017年、全羅北道の大規模干拓地セマングム一帯が大会開催地として最終選定された。

 しかし、6年間の準備期間にもかかわらずセマングムジャンボリー大会は大会初日から失敗が予想されていた。

 まだ完成してないメインセンターは使用不可能だったし、大会直前の集中豪雨によって水たまりができた宿営場には排水路も設置されておらず、大会参加者たちは水たまりの上にパレットを設置してテントを張らなければならなかった。