8月18日、米大統領の保養地のキャンプデービッドで開催された岸田文雄首相と米国のバイデン大統領、そして韓国の尹錫悦大統領の3者による日米韓首脳会談は、「日米韓が一つになるとより強い」という「キャンプデービッド原則」の下、安保・経済・先端技術などを含めた包括的な3国連帯と協力に関する合意がなされた。
この合意に関し、韓国国内では「インド太平洋地域における新たな経済共同体の誕生」「アジア版NATO」「韓米日の三角準同盟」などの期待に満ちた評価が出る一方で、対中関係の悪化や日本との安保密着への懸念なども同時に出ている。特に韓国国会で絶対的多数を握る野党「共に民主党」は、「韓国と国民の利益をあきらめ、日本と米国だけが有利にする外交を直ちに中断せよ」と強い反対の意思を示した。
「見返りなし」に怒る野党
共に民主党の論評は非難一色だった。会談結果が発表された直後の民主党の第一声はこうだ。
「『対中圧迫の最前線に立て』という宿題だけを押し付けられ、国益については何も触れずに帰ってきた」
「米国に代わって中国叩きに熱中したあまり対中輸出は回復の機会を見出せず、米国は半導体とバッテリーという韓国の未来の成長エンジンを奪っていくのに、尹錫悦政府が受けた見返りは全くない」
容赦なく尹大統領を攻撃した。
李在明(イ・ジェミョン)代表も今回の会談で、日本の福島第一原発の処理水放出問題を議題に上げられなかったことや、米国防総省の地図で日韓間の海を「東海」(トンヘ)ではなく「日本海」と表記したことに対する抗議がなかったことを指摘し、「国益優先の外交が崩れた」と猛非難した。