1社のテクノロジー大手が、成長停滞から脱却する一方で、もう1社は足踏み状態だと、米ウォール・ストリート・ジャーナルが報じている。これは米アマゾン・ドット・コムと米アップルのことである。
アマゾンとアップル、これまでの業績
同紙によれば、アマゾンとアップルは一見、共通点がないように思われるが、いくつか似ている点がある。両社とも成長を続けるためには大量の商品やサービスを販売し、収益を上げる必要がある。
2社は合計で年間9200億ドル(約131兆3900億円)の収益を生み出し、 その金額規模で世界の最も大きな企業6社に入る。しかしそれ故に、今後大幅な成長を遂げることが困難になっている。
アマゾンは2023年1~3月期までの6四半期のうち5四半期で売上高の前年同期比伸び率が1桁台にとどまった。同社の売上高は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)による需要急増以前でも平均20%台半ばの伸び率で推移していたので、これは大幅な減速と言える。アップルは、23年1~3月期と22年10~12月期にいずれも減収だった。
2社、23年4~6月期で明暗
しかし23年8月3日に両社が発表した決算ではいくつかの違いが示された。アマゾンの23年4~6月期決算は売上高が前年同期比11%増の1343億8300万ドル(約19兆1900億円)だった。ウォール・ストリート・ジャーナルによると、この伸び率は市場予測の9%を上回った。売上高は、クラウド事業「Amazon Web Services(AWS)」を含む全事業部門で市場予測を上回った。さらに大きな驚きだったのは、営業利益が76億8100万ドル(約1兆1000億円)で、前年同期の2.3倍となり、アナリスト予想の58%増を大きく上回ったことだ。