ムンバイのアップル直営店「Apple BKC」(写真:AP/アフロ)

 インドが米アップルのスマートフォン「iPhone」にとって世界で5番目に大きな市場になったことが分かった。

米・中・日・英に続く市場

 香港の調査会社カウンターポイントリサーチのデータを基に報じた米CNBCの記事によると、2023年4~6月期におけるインドでのiPhoneの販売台数は、全iPhone販売台数の約4%だった。また、インドスマホ市場におけるiPhoneのシェアは前年同期の3.4%から5.1%になった。

 これらの数値は依然として小さいものの、23年4~6月期におけるインドでのiPhone販売台数は、前年同期比50%増と急成長した。iPhoneにとってインドは、ドイツとフランスを上回り、米国、中国、日本、英国に続く市場になった。カウンターポイントによれば、インドがiPhone販売のトップ5市場に入ったのは、これが初めてだという。

Apple初のインド直営店

 インドでの急速な成長は、アップルが小売りと製造の両面において世界第5位の経済大国で存在感を高めているからだとCNBCは報じている。

 アップルのティム・クックCEO(最高経営責任者)は先の決算説明会で、23年1~3月期におけるインド事業が四半期ベースで過去最高を更新し、売上高は前年同期比2桁増を記録したと報告した。

 インドではアップル製品に対する需要が急増している。こうした状況を背景に、同社は国際事業の経営体制を刷新し、インドに一段と比重を置いている。23年4月18日には同社初のインド直営店「Apple BKC」を商都ムンバイでオープンし、その2日後に首都ニューデリーで2号店「Apple Saket」をオープンした。

 インドのスマホ市場は、中国・小米(シャオミ)などの中国メーカーやアップルの強力なライバルである韓国サムスン電子などが販売する低価格Android端末が主流だ。だが最近は中間層の拡大にともない、高価格帯端末を購入する消費者が増えている。