上海で3年ぶりに開催された「中国漫画ゲームエキスポ」はbilibili動画が共催している(筆者撮影、以下も同じ)

中国の動画サイトとして確固とした地位を築いたbilibili動画だが、人気クリエイターのbilibili動画離れが起こり始めている。大きな要因が収益性の低下だ。再生数あたりの収入単価がかなり下がっているという。その背景にあるのは、Tiktokに代表されるショートムービーの台頭だ。(JBpress)

(加藤勇樹:中国広東省在住コンサルタント)

 日本で著名な動画サイトといえばYouTubeやニコニコ動画ですが、中国ではbilibili動画(哔哩哔哩动画)がその位置を占めます。その前身は、2009年に日本のポップカルチャーを紹介する動画サイトMikufansですが、個人のクリエイター(UP主)が動画を投稿する文化(爱发电)に支えられ、bilibili動画文化圏(B站社区文化)が形成されました。

 2023年には1日あたりの平均アクティブユーザー数が9370万人、月間平均アクティブユーザー数が3億1500万人にまで成長しています(「哔哩哔哩2023年Q1财报:日活用户达9,370万,净亏损同比大幅收窄72%」)。

 bilibiliは中国のコンテンツ産業の発展を大きく支えてきました。

 最近では、日本のクリエイターによる動画投稿、日本の俳優やアイドルによるアカウント開設なども目立ってきています。

bilibili動画内の小栗旬氏による公式アカウント

人気クリエイターが次々チャンネル停止

 このように順調に主流動画サイトとして成長してきたbilibili動画ですが、最近変調の兆しが見えています。

 その一つが、人気クリエイターのbilibili動画離れです。