ショートムービーが大きな脅威に

 bilibili動画の最大の課題は、TikTok(抖音)に代表されるショートムービーの台頭でしょう。ショートムービーは大きな脅威となってきています。

 ショートムービーアプリのユーザー数は2022年末で前年に比べ7770万人(8.3%)増え、10億1200万人に達しました。これは、全インターネットユーザーの約95%がショートムービーアプリを使っていることになります。さらに、毎日ショートムービーを視聴するユーザー数は約7億人もいます(「中国网络视听发展研究报告(2023)」)。

 また、2022年のオンライン動画産業の市場規模は約7300億元で、このうちショートムービーは2900億元(約40%)を占め、市場拡大の主役となっています。

 ショートムービーの広がりは、作り手(クリエイター)にも変化をもたらしています。再生時間の短いショートムービーは、従来の5分、10分という動画とは作り方もコストも違います。さらに、視聴者の心をつかむ手法も異なるものになるでしょう。

 従来bilibili動画を作成していたクリエイターが、ショートムービーにどのように対応するか、難しい選択を迫られています。

 このような状況に対して、bilibiliは従来の動画サービスに加え、ショートムービーやライブストリーミングなどの新サービスも始めています。

 また、クリエイターとユーザーが交流できるイベント「bilibili World」の開催にも力を入れています。

クリエイターへの支援やユーザーとの交流を推進するため、イベント開催も活発におこなっている

 bilibiliのような動画サイトに対して、TikTokのようなショートムービーがどのように侵食していくか。クリエイターたちの今後の動きが大きなカギを握っています。