一難去ってまた一難、苦境に立たされた米国の名門ハーバード大学
白人・富裕層優遇の「裏口入学」を黒人・ラティーノが糾弾
2023.7.6(木)
高濱 賛
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黒人・ラティーノによるしっぺ返し
米連邦最高裁判所から人種に基づく積極的差別是正措置(アファーマティブ・アクション)による入学を違憲と判決を下されたハーバード大学が7月3日、今度は黒人・ラティーノ3団体から糾弾された。
3団体は、教育省にハーバード大学の白人優遇入学選考に異議を申し立て、撤廃するよう要求したのである。
この団体は、以下の3団体だ。
チカ・プロジェクト(Chica Project)
ニューイングランド経済開発アフリカン・コミュニティ(African Community Economic Development of New England)
ボストン都市圏ラティーノ・ネットワーク(Greater Boston Latino Network)
ボストン周辺で活動する公民権、女性の地位向上促進団体で、最高裁から「狭き門」をさらに狭くさせられた黒人やラティーノを代弁して立ち上がった。
「いわばしっぺ返し。最高裁判決を逆手に取った黒人・ラティーノによる一斉蜂起だった」(米主要メディア教育担当記者)
3団体は、ハーバード大学による寄付金や卒業生に関連した選考優遇について調査を求めるとともに、この慣行をやめなければ連邦政府からの資金を失うという宣言を教育省に求めた。
また、選考過程において入学希望者が親族と大学の関係を「明示する手段をなくすよう」ハーバード大学に求めている。
(Harvard University Legacy Admissions Targeted in Minority Groups’ Complaint - Bloomberg)