(朝比奈 一郎:青山社中筆頭代表・CEO)

 2022年の出生数は77万747人(人口動態統計)と、1899年に統計を取り始めて以来、初めて80万人を割り込みました。将来的に80万人割れの事態は予想されてはいましたが、実際には想定より5年ほど早くその現実が訪れました。政府関係者の間にも「さすがにこれはマズイ」との危機感が高まったようです。

 そこで急がれたのが、岸田文雄総理が掲げる「異次元の少子化対策」の具体化です。

実に「岸田総理らしい」取り組み

 このたたき台を3月31日に発表。4月1日に子ども家庭庁が発足し、子育てのサポート体制も充実させていく構えです。

 そして、5月31日に官邸において開かれた第5回子ども未来戦略会議(議長は岸田総理)では、「こども未来戦略方針」案が提示されました。

 こうした流れを見ていると、実に「岸田政権らしい」取り組みだなと感じました。私が「岸田政権らしい」というのには、ふたつの意味があります。

 ひとつは、課題に対して、着実に粛々と対策をしているというポジティブな意味です。岸田政権の支持率は発足当初は低調でしたが、ここにきて上昇しています。秘書官だった長男の辞任(事実上の更迭)などつまずきもなくはありませんが、G7広島サミットでは、先月の論考で詳述したとおり、素晴らしい外交手腕を発揮しました。サプライズでのウクライナのゼレンスキー大統領の来日も実現し、「意外とちゃんとやっているじゃないか」という評価を得ています。