メモ用紙やボールペンは持ち帰り不可

 いずれも立派な窃盗だが、宿泊客の身元は分かっていてもおおごとにしたくないと泣き寝入りするケースが多いようだ。

 しかし、そうした宿泊客が施設側のブラックリストに登録されるであろうことは想像に難くない。利用者の立場で気を付けたいのは、期せずしてリスト入りしてしまうことだ。出張や、仕事で遅くなり帰宅できなくなった時などによく利用するホテルであればなおさらだろう。

 先ほど備品の話をしたが、持ち帰り可のアメニティと、不可の備品には線引きが難しいものもある。

 一般的には、歯ブラシや髭剃り、シャワーキャップ、使い捨てのスリッパなど“消耗品”であるアメニティは持ち帰り可とされているが、例えば、いくらバスルームに備え付けのシャンプーやコンディショナーの使い心地がいいからといって、ペットボトルに入れて持ち帰るのはご法度だ。

消耗品と部屋備え付けの備品との区別が必要(写真:アフロ)

 タオルも、温泉旅館などで入浴セットとして渡される浴用タオルは持ち帰り可だが、ホテルのタオルは小ぶりのフェイスタオルであっても持ち帰り不可の備品となる。「替えのハンカチを忘れたからちょっと失敬」というわけにはいかないのだ。

 電話の近くに置いてあるメモ用紙やボールペンも、あくまでとっさにメモを取るためのものであって、持ち帰り可のアメニティではない。