このドキュメンタリーが韓国人の教団に対する怒りを掻き立てた最大の理由は、元信仰スターで、2018年から鄭に15回も性的暴行を受けたという香港出身の女性をはじめ、複数の被害者の生々しい肉声を伝えている点にある(冒頭の写真参照)。彼女らの証言によれば、鄭は一晩に16人の女性に性暴行を犯したこともあるという。
また摂理を脱退した牧師たちの証言も紹介されている。それによれば、鄭明析は「1万人の女性と性行為をして天国の恋人にするという天からの命令を受けた」と公言しており、彼が性的暴行を犯した対象には中高生も含まれているという。
現在も信者を増やし続けている摂理
もちろんこうした事実は過去にも問題視されていた。
鄭明析は、1999年に韓国で女性信者に性的暴行を加えた疑いなどを受けて、2001年に海外に逃避した。だが海外でも韓国の女性信者5人に性的暴行・セクハラを犯し、2008年2月に韓国に送還されて懲役10年を宣告された。
2018年にGPSアンクレットをつけたまま出所したが、出所直後から22回も性暴力を犯した疑いで22年10月に再度拘束されて裁判を受けている。鄭は拘置所に収監された状況でも信仰スターたちが送ってきたビキニ姿の写真と映像を見ながら過ごしているという。