タク牧師は寄稿文で摂理信者から聞いた次のような話も紹介している。
「堕落論を統一教会や鄭は人間の性的な堕落と見ている。鄭は聖書に出てくる堕落が性的堕落ではないかという疑問を抱いていた時、統一教会にはすでに自分の考えと同じ堕落論があることを確認できたと話した。統一教会が堕落論を用いて60年代~70年代に社会を席巻するのを見て、『これが神の歴史なんだ』と思い、鄭が自らの悟り(?)に対する確信を持ったことが摂理堕落論の問題点だ」
韓国のキリスト教系カルトは同源
統一教会の原理を借用して作られたといえば、新型コロナウイルス感染症の初期の2020年2月、韓国の大邱で大規模なクラスターが勃発したがその事実を隠すなど、社会的な物議をかもした「新天地」(新天地イエス教証拠幕屋聖殿)も同様だ。新天地の教理書を作った核心人物が統一教会出身で聖書の内容を比喩で解釈する方法などが統一教会と大分似ているからだ。
また、新しい信者を取り込む際に対象の性向を分析し、それに合う戦略を使う伝道方法をあらかじめ定めておく方法も統一教会と類似している。2015年には新天地脱退者が統一教会をベンチマーキングするよう指示されたと証言も報道された。
もっとも、統一教会の『原理講論』も実はオリジナルではない。文鮮明氏が20代時代に入教していた韓国のカルト宗教「イスラエル修道院」の教主のキム・ベクムン氏の『キリスト教根本原理』の形式と内容を借用したベンチマーキング理論だ。“ビジネス的に”世界で最も成功したカルト宗教を真似すると新しいカルト宗教が次から次へと生まれ、社会を混沌に落とし入れ、信者を生き地獄に導いている。そんな悲劇が絶えず続いているのだ。