2022年までは北朝鮮のミサイル発射は先端技術を誇示するものだった(写真は2022年3月16日、ソウル駅で北朝鮮のミサイル発射映像を見る人々、写真:ロイター/アフロ)

 北朝鮮が2022年までに行ったミサイル実験は、飛翔中に軌道を変更するものや極超音速滑空弾など、高い技術を必要としているものが多かった。

 そのうちの極超音速滑空弾についてはまだ完成には至っていないので、今年になっても実験回数が増加するのかと考えていた。

 ところが、米韓合同軍事実働演習(3月20日から4月3日)とその前後を含めた期間に発射したミサイル等は、技術的にハイレベルのものではなかった。

 逆に、特性や作戦運用がこれまでと異なっている。ユニークな発想で製造された兵器のようだ。

 このミサイル等はどのような特性があるのか、現実的な運用はどのようになるのか、について分析する。

 さらに、半島有事において、米韓日の対応、特に反撃方法について考察する。

 分析するミサイルは、次の4つである。

6発発射の短距離弾道ミサイル(3月9日)

地上サイロ発射の短距離弾道ミサイル(3月19日)

戦略巡航ミサイル(3月19日・22日)

核無人水中攻撃挺(3月23日・27日、4月7日)