英チャールズ国王の戴冠式は5月6日(現地時間)に開かれる。現地で祝福ムードが広がる(写真:AP/アフロ)

(宇山 卓栄:著作家)

通称的に王朝名「ウィンザー」を継続使用

 英チャールズ国王の戴冠式が5月6日に、ロンドンのウェストミンスター寺院で執り行われます。世界各国から王や王族、元首が参列し、我が国からは、秋篠宮さまご夫妻が参列されます。

 1953年のエリザベス女王の戴冠式には、日本から当時皇太子だった上皇さまが参列されました。ちなみに、これまで、天皇が外国の王の戴冠式に参列した例はありません。

 チャールズ国王はエリザベス女王から王位を継承した女系王です。そのため、英王室はエリザベス女王の夫で、チャールズ国王の父であるエジンバラ公の家名を加えた「マウントバッテン=ウィンザー」と家名を変えました(マウントバッテンがエジンバラ公の家名)。

 法的には、この家名が用いられますが、英王室は通称的に、王朝名として、「ウィンザー」をそのまま使い続けています。エリザベス女王の直系が絶えるわけではないという考え方です。

 我が国では、「女系継承により、天皇家が乗っ取られる」という議論がよく聞かれます。仮に愛子さまが将来、天皇になり、田中さんという一般男性と結婚すれば、天皇家が田中家になり、生まれてくる子供も田中さんになるので、これは王朝交代になるとされるのです。

 しかし、英王室がウィンザー朝のままであるように、「女系継承でも王朝は存続しており、王朝交代にはならない」という反論もあります。

 女系継承でも王朝交代ではないとするのは英王室だけではありません。