中国・広州の公邸を散策する中国の習近平国家主席とフランスのマクロン大統領(2023年4月7日、写真:新華社/アフロ)

(福島 香織:ジャーナリスト)

「最悪なのは、台湾の問題について、アメリカの歩調や中国の過剰な反応に合わせてヨーロッパの国々が追随しなければいけないと考えることだ」

 訪中から帰国したばかりのマクロン・仏大統領は仏メディアのインタビューにそう答えた。これは、台湾問題に関してフランスは距離を置くという宣言であり、EUを含め一部国際社会で強い反発を呼び起こした。

 マクロンは習近平に篭絡(ろうらく)されたのだろうか。習近平のEU分断戦略が功を成した、ということなのか。

マクロン訪中に最高の待遇を準備

 フランスのマクロン大統領は4月6日、中国を訪問し、北京で習近平国家主席と会談、ロシア・ウクライナ戦争についてのコンセンサスを探った。

 同じタイミングでEU委員長のウルズラ・フォン・デア・ライエンも訪中。それぞれ習近平と個別会談を行い、また三者会談も行った。