(福島 香織:ジャーナリスト)
「最悪なのは、台湾の問題について、アメリカの歩調や中国の過剰な反応に合わせてヨーロッパの国々が追随しなければいけないと考えることだ」
訪中から帰国したばかりのマクロン・仏大統領は仏メディアのインタビューにそう答えた。これは、台湾問題に関してフランスは距離を置くという宣言であり、EUを含め一部国際社会で強い反発を呼び起こした。
マクロンは習近平に篭絡(ろうらく)されたのだろうか。習近平のEU分断戦略が功を成した、ということなのか。
マクロン訪中に最高の待遇を準備
フランスのマクロン大統領は4月6日、中国を訪問し、北京で習近平国家主席と会談、ロシア・ウクライナ戦争についてのコンセンサスを探った。
同じタイミングでEU委員長のウルズラ・フォン・デア・ライエンも訪中。それぞれ習近平と個別会談を行い、また三者会談も行った。