(作家・ジャーナリスト:青沼 陽一郎)
大川隆法が死んだ。宗教法人『幸福の科学』の代表役員であり、主宰者であり、グループ組織内では「総裁」と呼ばれていた人物だ。
2月28日に都内の自宅で倒れ、病院に搬送されたが、3月2日に死亡したという。66歳だった。
LGBTQに不寛容な教団トップ
その大川隆法がこのところ「LGBTQ(性的少数者)は地獄に堕ちて釜茹でにされる」などと、「霊言」を通じて積極的に説いていたことは、半月前に伝えたばかりだった。
(参考)「LGBTQは地獄で釜茹でに」荒井秘書官以上の過激主張、幸福の科学の現在
「霊言」とは、大川隆法が過去の偉人などを自身の体に招霊して発する言葉で、自らを「地球の最高の権限を握ったエル・カンターレである」「仏陀の生まれ変わりである」と唱え、これらの「霊言」や「霊示」がひとつの教えとなる。総裁の口から語られた「霊言」は、グループ企業の『幸福の科学出版』が書籍にして一般販売もされている。
大川隆法は一昨年に2度にわたって「群馬・草津温泉で閻魔大王のそばで仕事をしてきた1200年の経験」を積んだ存在とされる「草津の赤鬼」を招霊して、「霊言」を行っている。この「霊言」をそのまままとめた著書が、大川隆法を著者として、昨年5月と6月にそれぞれ『色情地獄論―草津の赤鬼の霊言―』『色情地獄論(2)―草津の赤鬼 戦慄の警告―』として刊行されている。
そこでは「色情地獄論」をテーマに呼び出された「草津の赤鬼」が、最近はLGBTQがかなり地獄にきている、として大川隆法の口と声でこう語られている(なお、LGBTQを巡っては、差別発言をしたとして首相秘書官が更迭され、国会でも議論されていること、また、旧統一教会=世界平和統一家庭連合を巡って宗教法人の在り方が問われているところでもあるので、あえてそのまま引用する)。