(桃田 健史:自動車ジャーナリスト)
CO2排出量を相殺するとされている燃料「カーボンニュートラル燃料」の使用に関して欧州で大きな動きがあった。
ドイツ政府は2023年2月27日、欧州連合(EU)に対して、2035年以降にカーボンニュートラル燃料の一種である「e-fuel」を使う内燃機関を搭載する新車販売を認めるよう要請した。
この要請は、EUの政策パッケージ「FIT for 55」の修正を求めたものと言うことができる。
EUは2021年7月に、気候変動対策「欧州グリーンディール」政策を包括的に推進する政策パッケージ「FIT for 55」を発表した。2030年の欧州の全産業での温室効果ガス削減目標(1990年比で少なくとも55%削減を達成する目標)を達成するための政策パッケージである。
自動車業界においても、欧州域内で新車販売される乗用車と小型商用車について、温室効果ガスの排出量を2030年に1990年比で乗用車で55%削減、また2035年には100%削減を目指すとしている。