「金正恩(キム・ジョンウン)総書記の娘・主愛(ジュエ・推定10歳)が後継者に内定した」――。
韓国で最も著名な北朝鮮専門家である鄭成長(チョン・ソンジャン)世宗研究所統一戦略研究室長から、2月20日、私にメールが届いた。
その根拠として、鄭室長は次の8点を挙げた。
「最も愛しておられるお子様」
(1)「尊貴すべきお子様」という呼称
北朝鮮は、昨年11月27日付『労働新聞』で、金主愛に対して「尊貴いたしますお子様」という表現を使った。『労働新聞』のサイトで「尊貴いたします」という敬語は金日成(キム・イルソン)と金正日(キム・ジョンイル)という「先代の首領」、それに金正恩という「現在の首領」にのみ使われてきた。そのため、このような絶対権力者を意味する「尊貴いたしますお子様」という敬語が金主愛に対して使われたことは、彼女が「後継の首領」であることを示唆している。
(2)「最も愛しておられるお子様」という表現
昨年11月27日付『労働新聞』では、金主愛に対して金正恩が「最も愛しておられるお子様」という表現を使った。金正恩に複数の子女がいる場合、最も愛している子供を後継者に選ぶことは当然である。
(3)「尊敬するお子様を奉り」という表現
2月9日に朝鮮中央テレビは、前日に行った朝鮮人民軍の閲兵式について報道した中で、「朝鮮労働党中央委員会政治局常務委員会委員、党中央委員会書記たちが、尊敬するお子様を奉り、貴賓席に着きました」と報道した。上位の者に使う「奉る」という表現を、金主愛に対して使ったのだ。北朝鮮で党中央委員会政治局常務委員たちは、序列5位までに入る最高幹部たちだ。その彼らが金主愛を奉ったということは、金主愛が彼らより優越的な地位(上位)にあり、さらに言えば後継者の位に就くことを示唆している。