(羽田 真代:在韓ビジネスライター)
韓国の反日感情が鈍化する中、最近は韓国人の中国嫌いが加速している。
日本製品不買運動は落ち着き、ノービザ渡航が開始されてからは韓国人旅行客が毎日のように日本に押し寄せている。韓国で公開された映画「THE FIRST SLAM DUNK」も大ヒット上映中。あまりのヒットに、韓国・釜山にはスラムダンクの聖地までできた。江ノ電の踏切のシーンに似た写真が撮れるそうだ。
韓国人の「恨(ハン)」感情は、日本から中国へ移ったようである。
中国に対する「恨」は、数年前に勃発した「キムチ論争」から始まったように思う。それまで韓国人は中国人のことを「うるさい」「汚い」などと言って見下すことが多かったが、恨むという感情まではなかった。
「キムチ論争」とは、韓国の誇るキムチに対して、「キムチの起源は中国だ」と中国が主張し、韓国と対立していることを指す。
キムチの起源は「祖(ソ)」と呼ばれる中国の胡瓜の塩漬けだと言われているから、中国側の主張もあながち間違いではない。韓国のキムチ文化は、紀元前3~2世紀頃、朝鮮半島に逃げ込んだ中国人が祖を伝えたところから始まっている。
なお、キムチに使われる唐辛子は1592年に朝鮮半島に出征した豊臣秀吉が伝えられたと言われている。韓国の誇るキムチは、中国と日本の影響がなければ誕生していなかったかもしれない。