後を絶たない銃乱射事件。1月21日、ロサンゼルス郊外で、72歳のアジア系男性がダンスホールで銃を乱射、11人が死亡した。さらに23日にはサンフランシスコ近郊でまた銃乱射事件が起き、7人が死亡。67歳の中国系の男が自首し、身柄を確保された。
アメリカでは先月だけで1000人以上が銃で撃たれて亡くなっており、1度に4人以上が撃たれた銃撃事件の数は37件。平均1日1件以上、銃乱射事件が起きている計算になる。
72歳と67歳のアジア系男性。容疑者の年齢が随分と高齢化していて、驚くが、1999年に起きた「コロンバイン高校銃乱射事件」の印象が強烈だったせいだろうか。その後も同様の事件がなくなることはなく、つい銃乱射事件と聞くと、現場は高校、犯人は高校生と連想してしまう。人生がまさにこれからという若い人たちの命が無惨に失われるショック。泣き叫び、呆然とするティーンエイジャーの映像が脳裏に焼きついている。
ほぼ全編が密室での息詰まるような対話劇
マイケル・ムーア監督のドキュメンタリー映画『ボウリング・フォー・コロンバイン』でも描かれていたが、銃社会アメリカならではの事象と思える銃乱射事件。事件が起きるたびに銃規制論議が繰り広げられるが、いまだに規制には結びついていない。
凄惨な銃乱射事件はどうして引き起こされるのか。
『対峙』は高校銃乱射事件で共に息子を失った被害者と加害者の両親が対面し、その「なぜ」「どうして」をとことん話し抜くドラマである。
プロローグとエピローグに会を設けた協力者たちが登場するエピソードがあるものの、ほぼ全編が殺風景な一室で行われる、2家族による面談で進む。