しかし絶賛されているのは三笘薫だけではない。華やかなプレミアリーグの陰に隠れてはいるが、その北部のスコットランドリーグでは、三笘に劣らず、セルティックの古橋亨梧、前田大然、旗手怜央が絶賛されているのである(今では1チームに3、4人の日本人選手が所属していることも珍しいことではない)。

 ひと昔前までは、海外に出ても日本人選手はおとなしいといわれたものである。だが中田英寿、中村俊輔、香川真司、岡崎慎司、本田圭佑、長友佑都らがその評価を覆した。それでもまだかれらには気負いが感じられたが、いまの若い選手たちにはそんな意識は全然感じられない。きわめて自然に溶け込んでいるように思われる。

ヨーロッパにこんなにいる日本人選手

 現在ヨーロッパにいる日本人選手は、ざっと数えただけで以下の選手たちがいる。わたしがはじめて聞く選手も含まれていて、このことだけでもJリーグのレベルが格段に上がっていることが感じられる。

イギリス:冨安健洋(アーセナル)
フランス:伊東純也(ランス)、南野拓実(モナコ)
スペイン:久保建英(ソシエダ)、柴崎岳(レガネス)
ポルトガル:守田英正(スポルティング)、相馬勇紀(カーザ・ピア)
ドイツ:板倉滉(ボルシアMG)、吉田麻也と上月壮一郎(シャルケ)、長谷部誠と鎌田大地(フランクフルト)、遠藤航と原口元気(シュツットガルト)、堂安律(フライブルク)、田中碧(デュッセルドルフ)、浅野拓磨(ボーフム)
ベルギー:上田綺世(ブルージュ)、林大地(シント=トロイデン)

 中田英寿が大々的にペルージャに移籍したのは1998年のことだ。現在これだけ(これ以上)の選手たちが海外でプレイをしているという事実を知ると、まさに隔世の感がある。現在55歳の三浦知良も、ポルトガル2部のオリベイレンセに移籍が決まった。ヨーロッパでは驚きとともに称賛をもって迎えられている。

 三笘薫がリバプール相手にスーパーゴール(最近は“ゴラッソ”というのが流行りだ)を決めたスタジアムは、アメリカン・エキスプレス・コミュニティ・スタジアム(ファルマー・スタジアム)である。

 このスタジアムは奇しくも7年前の2015年、ラグビーW杯イギリス大会で、当時世界ランキング13位の日本代表が、同3位の南アフリカ代表を接戦の末に34―32で破るという大番狂わせを演じたスタジアムだということである。

 昨年のサッカーW杯カタール大会では、日本がドイツとスペインを破って世界を驚嘆させた。これが日本サッカーに対する評価を一変させたことは想像に難くない。少なくともこれからのW杯では、各国が日本を安全牌とみなすようなことはないはずだ。日本もまたいままでのように必要以上に対戦国にビビることはない。