今年1月、千葉・幕張メッセで開催された「東京オートサロン2030」で展示されたBYDの「ATTO 3」(写真:UPI/アフロ)

 まさに「紅船襲来」である――。

 1月31日、「BYD Auto Japan」は、ホームページに登録している日本人に向けて、一本の通知を発表した。そこには、こう記されていた。

<待望の日本発売モデル第1弾 e-SUV「BYD ATTO3」発売開始!

 いよいよBYDのEVが日本の道を走り始めます。大容量・長寿命、安心・安全、高い技術力を持つBYDのEVをこの特別な機会にぜひお確かめください>

BYDが起こす激震

 続いて2月2日には、国内正規ディーラー1号店として、「BYD AUTO 東名横浜店」をオープンさせた。ここで「BYD ATTO3」を販売する。価格は440万円からで、航続距離は485kmだ。

「BYD Auto Japan」は、「2025年末までに日本各地に100店舗以上の販売ネットワークを構築する」という目標を、昨年末に発表している。「うち33店舗はすでに準備中」だという。

 さらに2月10日から12日まで、インテックス大阪で開かれる大阪オートメッセでは、「BYD ATTO3」をはじめ、今年発売予定の3車種を展示する。試乗もできるということで、カーマニアの間で話題を呼んでいる。

 このように、これまで少なからぬ日本人が聞いたこともなかった「BYD」という中国のメーカーが、自動車業界の話題をさらっている。日本を代表するトヨタの豊田章男社長の退任とあいまって、自動車業界には、いま大きな「地殻変動」が起こっているのだ。