大統領は、西側による安全保障の約束は、ウクライナ領土の一体性の代わりとしてはお粗末だと訴える。
何しろ、1994年にウクライナが旧ソ連の核兵器を放棄した時に米国と英国から与えられた似たような保証は、20年後にほとんど無価値であることが明らかになった。
ウクライナ支援国の思惑
ウクライナを支援する国々は、これとは少し異なる見方をしている。
それによると、奪われた領土をすべて取り戻そうというのは、妥協を一切拒むマキシマリストの狙いであり、ウクライナは実現に苦労する。
その最大の理由は、ところどころにいる解放を望まない人々も解放することになるからだ。
また、プーチン氏の核の脅しはロシアを絶対に勝たせてはならない理由になるが、それと同時に、国際社会に認められたロシアの国境をウクライナが脅かすように見えてはならない理由にもなる。
ウクライナはさらに、国内で競合する勢力間の対立が生じたり昔から見られる汚職の悪癖が抑制されなかったりすれば、軍事や資金の援助が滞りかねないことも理解しておかねばならない。
それでも、かつてのロシア帝国を再建できるなどという失地回復論が頓挫すれば、ロシア自身を含む全世界が恩恵を享受できる。
ウクライナが適切に支援されれば、司令官たちは軍隊を海岸に向かって大幅に前進させることができ、今年2月以降にプーチン氏に奪われた領土のほとんどを奪回できるかもしれない。
取り返せる領土が大きければ大きいほど、ウクライナの成功が永続する可能性は高くなる。