週末だけで10万円稼げたのは過去の話

 配達員が受け取る配達料もAIが決めている。配達料はお店から配達先までの距離、配達の需要などで決められるが、正確な金額は配達が完了して初めてわかる。

「自分がこの仕事を始めた頃、配達料は1件あたり700~800円くらいでした。当時は配達員を集めるために、高額な配達料にしていたのでしょう」

 コロナ前は1日5時間稼働すれば1万5000円ほど、週末の副業で月に10万円は稼げた。当時は「配達リクエスト」が途切れることがなかったという。

「コロナを境に配達員が爆発的に増えた結果、仕事は奪い合いになり、配達料もどんどん下がっていきました。現在はスリーコイン(300円)が相場ですよ」

 ウーバーイーツは料金改定をたびたび行っているが、配達員が受け取る金額は徐々に下がっている。Rさんは土日の午前9時~午後3時頃まで、ランチの配達をメインに稼働している。現在の稼ぎは月5万円弱だ。

「今でも需要が少ないところや、配達員が不足している日だと、配達料が1件あたり1500円くらいに跳ね上がることもまれにあります。ウーバーのAIが決定する配達料の根拠は、われわれにはさっぱりわかりません」

 一方、明らかに金額に反映されないものがある。それは配達内容だ。