それだけではなく、9月1日、産経新聞が「『森元会長に200万円』青木前会長供述」と題する記事を1面で報じた。東京五輪をめぐり贈賄容疑で逮捕されたAOKIホールディングス前会長の青木拡憲容疑者が、大会組織委員会の会長だった森喜朗元首相に現金200万円を手渡したと、東京地検特捜部の調べに対し供述しているという。
高橋容疑者への贈賄容疑で逮捕された青木容疑者が森氏にも金を渡していたとすれば、贈賄企業と組織委員会がズブズブの関係にあったということだ。
森氏も軽口・失言を繰り返すよりも、200万円の真相を語ったらどうか。森氏の銅像を建てようという人たちも、その前に真相を聞いたらどうか。
この3人と対照的なのが、先日引退を発表したスピードスケート金メダリストの小平奈緒さんだ。小平さんは引退会見で、札幌五輪への「招致に協力してほしいという要望があった」と明かしつつ、「札幌五輪に関してはいったん置いているところです」と語り、さらに五輪に関して「いろいろ問題を耳にすることはあるんですけど」「それ(五輪)を利用されたくないなという思いはある」とも述べ、「それを支えてくれる人たちが真摯にスポーツと向き合ってくれることをただただ願っています」と語ったのである。
小平さんが耳にした「問題」とは、高橋治之容疑者らによる一連の汚職事件を指しているのではという見方がメディアではなされている。この小平さんのまともな感覚が森、山下、橋本、室伏の4氏には欠如している。