継続は対台湾、対北朝鮮政策のみ?
米中間選挙は共和党の勝利に終わった。
米東部(ワシントン)時間11月8日午後11時半段階で、上院は共和45議席、民主43議席、下院は共和158議席、民主98議席、知事は共和22人、民主13人となった。
「このままいけば、共和党が立法府を牛耳るのは確実な情勢になってきた」(米主要紙のベテラン選挙担当記者)
政治の関心は2024年の大統領選へと急速に移っていく。投票までまだ2年あると見るか、もう2年しかないと見るべきか。
米下院の過半数を失うことが確実となり、ジョー・バイデン政権は内政外交で思い切った舵取りができなくなってきた。
対ウクライナ政策にしろ、地球温暖化阻止、インフラ再構築にしろ、議会共和党の顔色を見ながらの政権運営にならざるを得ない。
例外は共和党がイケイケどんどんの対台湾・北朝鮮政策ぐらいになるだろう。
それを中国も北朝鮮もロシアも知っているはずだ。むろん、それを一番知っているのは米国民だ。
物価高やインフレ対策に不満でバイデン政権にお灸をすえたつもりだが、それで直ちに好転するわけではない。
となると、無手勝流の「体制ぶち壊し屋」のドナルド・トランプ前大統領に対する期待は嫌がうえにも高まってくる。
トランプ氏なら現状を打破してくれるのではないか、との期待が膨らんでくる。トランプ氏は、2024年の大統領選に正式立候補を表明する構えを整えた。
「この選挙に共和党が勝ったのは俺のおかげだ」と自信満々だ。
反面、忍び寄る司直の手に怯えていることも間違いない。「強気の姿勢はその裏返し」(民主党選挙参謀)とみていいだろう。
トランプ氏の「進軍ラッパ」にそそのかされて、「我こそは」と意気込む他の共和党候補が早ければ年内にも出てきそうだ。
共和党内には根強い「トランプ信仰」がある一方で、「トランプ氏はあまりにも多くの疑惑、訴追案件を抱えた手負いの獅子だ」(共和党保守本流派関係筋)と冷静に見ている党内大物たちも少なくない。
トランプ氏は本当に2024年大統領選で勝てるのか疑問視する向きも少なくない。ただ今のところ公言していないだけだ。
一方、意気消沈の民主党では、完全にレイムダック化した現職のジョー・バイデン大統領(79)を軸にした候補者選びになる。
高齢と支持率低迷という問題を抱え、党内には同氏に代わる候補選びを急ぐ動きが活発化しそうだ。