一番に同盟国の悲劇を悼んだバイデン氏
ソウル・梨泰院(イテウォン)で10月29日午後10時に起きた大規模な圧死事故は死者が150人を超え、韓国では2014年の客船「セウォル号」沈没事故(死者299人、不明5人)以来の大惨事となった。
犠牲者の大半は10代、20代の若者だった。外国人の死者は、中国人4人、日本人と米国人が2人、豪仏タイなど各1人と、13か国26人に上った。
ジョー・バイデン米大統領は、外国首脳としては誰よりも早く「同盟国の悲劇」に哀悼の辞を表明した。
ハロウィンの仮装イベントは元々、米国で始まった。それが近年、日本で社会現象になっていることは、一般の米国人も知っている。
渋谷交差点や六本木に若者たちが繰り出すシーンは、パンデミック前には毎年、米メディアでも報じられていたからだ。
それが韓国でも流行っているとは、さすがの米国人も驚いた。しかも今回、そこで群衆雪崩が起こり、多くのZ世代の若者が圧死した。米国民は衝撃を受けている。
主要紙も一面で報じ、CNNはじめテレビもオンラインメディアもトップで報道している。
元ソウル特派員だった米大手メディアのジャーナリストW氏はこうコメントする。
「BTS(防弾少年団)を筆頭にK-POPや韓国映画が米国を席巻し、左翼ナショナリストの文在寅政権が去り、親米・尹錫悦大統領になったことも相まって、米国にはある種の親韓ムードが広がっている」
「特に北朝鮮の軍事的挑発に辟易しているだけに、日米韓軍事協力に積極的な韓国には同盟国として親近感を取り戻していることも事実だ」
米国人を含む外国人26人が犠牲になったとなると、米国民にとっても他人事ではなくなってきた。